取扱業務

中小企業と金融機関に関する分野-デリバティブ問題、金融商品取引法に関する分野

中小企業と金融機関に関する関係

経済環境が悪化し、中小企業と金融機関の関係は、底冷え、と聞きます。
中小企業が接する金融機関は、主に、銀行(メガバンク、地銀)、信金、政府系でしょう。
政府系は除外するにして、たいていは、広く預金を集め運用をして収益をあげることを事業とする機関です。

tora102.jpg一方で、融資を受ける手段は、債権譲渡担保、動産担保、ファクタリング、セールアンドリースパック等様々あります。
中小企業と金融機関のおつきあいについての法律問題を取り扱っております。

ご相談の流れ

為替デリバティブ問題

(過去ブログから転載)

2010/12/12の朝日新聞に「デリバティブ倒産増加 中小が円高で損失、銀行に恨み節」という記事があった。

同記事はコチラ→http://www.asahi.com/national/update/1211/TKY201012110315.html

週間ダイアモンド2010/12/04発売号に「中小企業の破綻増加は必至!銀行がはめた為替デリバティブの罠」という記事を目にしたのは10日程前のことだ。
ここ数ヶ月の間、本業は順調であるのに為替デリバティブが原因で事業が逼迫してきている中小企業の話を聞く件数が増えてきていたので、深刻な社会問題になるかと懸案していた矢先に、このような記事がでてきた。

同記事にもあるように、帝国データバンクによれば、為替デリバティブが原因の倒産が今年に入って増加しており、更に増える見込みであるという(http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p100503.html)。

確かに、当事務所で事業再生を手がけた企業の中にも、デリバティブにより為替差損が窮境原因の一端となっているケースが今までにもチラホラとあったことは事実だ。

しかし、15年ぶりの円高・ドル安を記録してからというのも、事業は黒字だが、為替差損のみが原因でまさか倒産の2文字が現実かしてきた。

私が主宰している日本企業再建研究会の仲間の税理士いわく、本業が黒字の優良な中小企業を中心に銀行が為替デリバティブ契約を薦めていた時期が4,5年前からあったという。

中小企業を防衛する法務・事業再生を手がけてきた立場としては、今後問題として取り組むべきだと思う。

弁護士法人虎ノ門国際法律事務所
虎ノ門後藤法律事務所
代表弁護士 後藤孝典

 

(過去ブログから転載)

デリバティブ契約による損失をなんとしても回避したいという相談が多くなってきました。

全国にはデリバティブ契約による損失に苦悶する企業がおそらく数千にも上っているでしょう。金利で収益を上げるのが難しくなった銀行はデリバティブを無理やり顧客に契約させて手数料で稼ごうとしているのでしょう。

ゼロコスト契約であっても、ただ手数料額が見えないだけでコストがゼロではなく、同じことです。

この問題が深刻な理由は、狙われる企業がいずれも中小企業のうちでも優良企業であるという事実です。デリバティブ契約さえなければ営業利益は黒だということです。

調べてみると、銀行はこの会社なら、この程度の損失に耐えられるだろうと見込みをつけて売り込みをかけているようです。

銀行は融資を通じて企業の財務内容をよく知っているのですから、たちが悪い。

つまり、はなから顧客に損失が発生すると計算しての手数料かせぎというわけです。

デリバティブ契約は基本構造からしてゼロサムゲームです。基本的仕組みは博打と変りません。

顧客が儲かればその分銀行が損をし、顧客が損すれば、その分銀行が儲かるという仕組みです。

それなら両者の勝ち目はイーブンかといえば、通常はドル高・円安になり顧客が儲かる場合には儲け額に上限が設定されているか(デジタルオプション)、契約そのものが効力を失う仕組みが組み込まれていえ銀行は大きくは損をしない仕組みになっています(ノックアウト条項)。

他方、ドル安・円高になり顧客が損をし始めると、どこまでもドルを買わねばならず、それも数年にわたることが普通で、底なしに損が拡大する仕組みです(プットオプションの売り取引)。

最高裁第一小法廷平成17年7月14日判決才口千晴裁判官補足意見参照)。銀行は、ドル高・円安に向えば顧客にとって価値が低くなった円を一定の上限まで顧客に供給し、ドル安・円高に向えば顧客にとって価値が高くなった円を下限なしに顧客から奪い取っていく仕組みになっていますから、顧客に損失をもたらすことは必至です。

ドルに対する実需がある輸入関連企業にとってもリスクヘッジになる訳がなく、ドル実需がない企業に対する押し売りは、詐欺行為といってよいでしょう。

そのうえ、デリバティブ契約の押し売りは融資実行に絡ませた優越的地位の濫用を伴うのが通常ですから、不法行為に該当するというべきでしょう。ドル安・円高は当面まだまだ昂進しそうです。1ドル60円、50円にはいったとき、どれほどの企業がデリバティブ契約で倒産するか、身が震えます。

弁護士法人虎ノ門国際法律事務所
虎ノ門後藤法律事務所
代表弁護士 後藤孝典

中小企業支援 虎ノ門後藤法律事務所(弁護士法人虎ノ門国際法律事務所)

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